答えはいくつあるのか?
数学の本を読んでいると、直感的でないと思えるような表現が出てくることが時々あります。今回は、「ある条件を満たすものがいくつあるか」という話です。
例えば、モノ射の定義は以下のように書かれています。
任意の圏Cにおいて、射 f : A → B が、
任意の射 g, f : C → A が与えられたとき、fg = fh なら g = h となるとき、
fはモノ射である。
最初に読んだとき、この「fg = fh なら g = h」が何を言いたいのか全くつかめませんでした。とっても難しいことが書いてある感じがして、もうパニックです。
でも落ち着いて、出来るだけ日本語にして読んでみると……同じ性質のものが2つ(ここでは f, g)あったとしたら、それは実は同じものなんだよ、と言っているだけのようです。ということは、「2個以上あるようにみえたとしたら、それは実は1個」、つまり「0個か1個」ということですね。
そう書かないのは元の表現が便利だからなのでしょうが、素人はこういうところからつまずいていくのです。
そうすると、他の個数の場合はどう表現するのかが気になります。多分、こんな感じでしょう。
- 0個の場合 : 存在しない
- 1個の場合 : 存在してかつ一意
- 0 or 1個の場合 : 2個存在するならそれらは等しい
- 1個以上 : 存在する
他の表現が見つかったら、また書きます。